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執筆者の写真天野圭介

新築予定地裏の法面安息化処置

浜松市引佐町のお客様からご依頼頂き、新築予定地の法面安息化処置をさせて頂きました。


ここには元々昭和に建築された住宅が建っておりましたが、

新しくこの地に住まれることになったお施主さんにより解体され、

新築工事がおこなわれることに。


住宅が建っていた頃の裏側の法面は垂直に段切りされ、

シダやコケが生えて冷氣が湧きだし、法肩に植えられた槙の木の根で安定していました。

それが新築工事の際に崖条例などの関係もあって不安定だとみなされ、

大きく削り取られることになりました。


(切り取られた斜面。元々は日陰の環境で、菌糸、木の根、シダやコケなどで安定した状態にあったが、母屋の解体と共に大きく削り取られた。土質としては破砕した岩のでる固めの土質であるが、表土は常に太陽光と風雨に晒され、極端に乾燥した状態に。このままでは草も生えることすらできない状態であり、安定した状態とは程遠い。法面をただの土の塊とみて角度だけで安定を考えるのか、一つの生き物として全体を見て安定を捉えるのか、考え方次第で現実は大きく変わってくる。)


ここにこれから住まわれるご家族にとって、この地がどのようにあるのが良いのか?

この地の一番の特徴、それは何といってもこの地が神社の境内に隣接した場所であり、

この地を納める神様の懐にあるということ。神様に無礼が無いよう、また新しく住まれるご家族が幸せに暮らせるよう、チーム一丸となって祈りを捧げ、作業スタート。


(9月とはいえ灼熱の炎天下!逃げ場は神社の軒下のみ笑。意識もうろう状態の作業が続く💦)


(斜面の角度が緩く、地形の安定している部分に管理径をつける。階段も設けて今後の法面の草刈りや植樹、収穫などがおこないやすい様に地形を整えていく。)


(そこに住む人や生き物にとって安心して棲むことのできる状態:安息状態をつくる為には、なんといってもこの場に草が生えてこなければいけない。草が生えることで太陽光や風雨、または目に見えない様々なエネルギーが土地に固着化され、この地の生命エネルギーに転換されていく。そのきっかけを作り出す為に地表を有機物で覆う。身近にある素材:笹を全面に網目の様に敷き込み、腐葉土を受け止める下地を作る。)


(斜面と平面が接する斜面変換線に通氣浸透水脈を掘り、法面に浸透する空氣と水の動きを躍動させる。)


(斜面全体に腐葉土を散布。今回の腐葉土は広葉樹の幹部分や枝葉がバランスよく含まれていて、とてもいい感じだった!天竜草木リサイクルというところで生産している腐葉土で、安価に入手できるのでグランドカバーにお勧め。)


今回は一先ず応急処置まで。今後新築工事の具合を見て、敷地全体の手当に入る。

広葉樹や果樹を植裁したいとか、法面を眺められるように窓を設けたいとか、

お施主さんも気に入ってくださったようで良かった。

今後は土着菌を活性化する酵素水を撒いたり、もっと菌や植物が豊かな場所にしていけるといいな~と考えています。

また様子をアップできればと思います☆

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